まず、分散を考える前に、分散の反対を考えて見ましょう。集約された投資とはどんなものでしょうか?
さて、皆さんは、エンロンという会社をご存知でしょうか?2000年には全米売り上げ第7位となった総合エネルギー取引とITビジネスを行う企業でしたが、2001年には不正会計疑惑を端緒に12月に事実上倒産した企業です。
エンロンの社員は、アメリカの年金プログラムである確定拠出型年金 401(k)で自社株を積み立てして(させられて)いたようです。
確定拠出型年金ってなんでしょうか。一般的に年金は運用利率がきまっていて、年金の運用の成否にかかわらず、一定の金額をもらうことができます。これを確定給付年金といいます。企業年金の場合、運用が失敗した場合でも一定の金額を払わなければなりませんので、年金支払い時に追加負担する可能性があります。
一方で掛け金の金額だけ決まっていて、個人の責任で運用し、運用が失敗しても自己責任なのが、確定拠出年金です。企業からしてみれば、積み立て時に一定の金額を支払えばよいので、資金の目処がつきやすいというメリットがあります。
話がそれましたが、エンロンの社員が行っていたのが、究極に近い投資の集約じゃないかと思います。
つまり、会社がつぶれたら、お金の面で人生が成り立たなくなりますよね。
えっ?私の会社はつぶれない? ちなみにエンロンは1996年から6年連続で『フォーチュン』誌の「アメリカで最も革新的な企業」に選ばれる優良企業でした。備えあれば憂いなしです。
簡単に言えば、分散はエンロンの社員と反対のことをやればよいのです。
つまり、自社株よりライバル会社の株式。それよりは、違う業種の株式。日本じゃないアメリカ、ヨーロッパの株式。先進国じゃない新興国の株式。株式じゃない不動産、債権、商品、絵画 etc.etc....
こうやって考えると分散って簡単だと思いませんか?
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